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2023/06/22 10:11

合資会社三ツ池は、創業明治31年、長崎県有明海に面する南島原市有家町に店舗・工場を構え、水産製品など蒲鉾を中心に製造・販売を行っています。

初代「小嶺嘉一郎」が鮮魚商として創業した経緯から、蒲鉾の原料となる魚肉すり身の鮮度見極め技術は家業として伝承されており、現在も良質な製品作りにスタッフ一丸となって取組んでいます。


4代目で後継者である「小嶺達彦」は大学卒業後、大手調味料メーカーに勤務したのち、Uターン帰郷し、家業伝承に従事しています。

2011年より長崎大学水産学部にて『海洋サイバネティクスと長崎県の水産再生』プログラムを2年間受講し、水産学・水産加工学について学び、『長崎大学水産コンダクター』の称号を取得しました。現在は、水産品調理加工のプロフェッショナルとして新商品開発に参画しています。

創業120余年の業歴に胡坐をかくことなく、今後も進化し続ける老舗企業を目指しております。鮮魚商に始まり蒲鉾製造への専業化を経て、「蒲鉾」のニーズが減少していることに危機感を覚え、冷凍食品製造業・そうざい製造業の営業許可を取得し、様々な調理済み冷凍水産加工食品を開発しております。

また、SDGsの取り組みとして、地域連携で特産品である南島原市深江町漁協の車えびの規格外品を活用した商品「車えびトロSURIMIしゅうまい」の開発も行い、フードロスにも一対応した商品の開発を行ってきました。

このように、創業以来代々受け継がれてきた製造技術に加え、自社の指針を時代のニーズにマッチさせることにより、大きく向上した商品開発力が弊社の強みとなっています。

蒲鉾屋が魚介系ラーメン開発を行うというのも、4代目の想いから始まりました。

蒲鉾屋だから出来たこと。
"超"手軽さ+本格ラーメンの両立。

ラーメン開発のきっかけは様々ですが、一番大きいのは「長崎県産の美味しい魚介類をもっと多くの人に味わってもらいたい」という想いでした。

こちらからは長文になりますが、

私の経歴にご賛同頂けますと幸いです。

全国の方に長崎の魚介類を手軽に味わってもらうにはどうすればよいか。同世代の蒲鉾のニーズは減少している。どうしたら長崎の水産品・水産加工品が消費されるのか。いまや国民食であるラーメン、特に魚介類を原料とした魚介系ラーメンに着目しました。私は現在蒲鉾屋4代目ですが、大学卒業後は大手調味料メーカー社員として勤務していた経緯があり、当時担当させて頂いていた業界が外食産業でした。主にチェーン外食店や大型ホテルのコンサル営業を行う営業マンでした。担当当初は自社の商品を一方的に提案するだけで営業先のニーズを考えず、ひたすら営業に出向き見向きもされない毎日が続きました。そんななか、ひたむきな姿を見て頂いたある外食企業の開発担当部長さまから、『自社独自の簡単オペレーションの調味料の共同開発をやって頂けませんか。』との有難いお言葉を頂き、私自身一筋の光が見えた瞬間でした。複数店舗の責任者が一同に会する店長会議に参加させて頂き、それぞれの現場の悩みを聞かせて頂きました。ニーズは現場にありました。飲食店シフトの都合上、店舗調理担当者が変わる為、お店の味が統一しない日があったりする。味の統一化を図るため、店舗毎のオペレーションを一括してセントラルキッチン型オペレーションへと提案しました。その後、店舗毎の味の統一化ができ、相手さまの売上げも安定的に推移し、みるみる内に店舗展開されていきました。調味料メーカー社員である事冥利につきました。そんななか、私自身、実家の事業承継の話もあり、伝統食品の蒲鉾製造の技術伝承者として父親が経営する合資会社三ツ池に入社しました。長崎にUターン帰郷し、まず始めた事が蒲鉾職人の修行でした。職人修行を進めていくうちに、蒲鉾の原料は第一に原料である水産品であることに着目しました。同時期に長崎大学水産学部主催の社会人人材育成事業に参画させて頂き、長崎の水産物・水産加工品の消費拡大を担う人材『長崎大学水産コンダクター』の称号を取得しました。長崎の魚介類を全国の方に消費してもらいたい。長崎の美味しい魚介類を食べてもらうにはどうすればいいか、模索の日々が続きました。2020年に地元漁協の車海老と水産練り物の技術を駆使した『車えびトロSURIMIしゅうまい』を開発しました。その後、工場の一部を改修・急速凍結機を導入して、冷凍食品製造業の営業許可を取得し、水産冷凍食品として販売開始しました。つぎに、車海老だしで作る調理済み冷凍ちゃんぽんも開発しておりました。そんななか全国で新型コロナウイルスが蔓延し、国民の行動は制限され、生活スタイルが一変した時期でもありました。飲食店の売上げは激減をたどる一方、私の車海老だしを使った調理済み冷凍ちゃんぽんが、簡単調理と私自身の経歴を評価して頂いた長崎市内の人気ラーメン店店主のニーズと合致し、簡単オペレーションとお店の味が再現出来る冷凍調理済みラーメンの共同開発を行いました。

このように、

1、大学生時代、食品開発研究やラーメン店でのアルバイト経験

2、調味料メーカー勤務での外食産業コンサルタント営業

3、自社での積極的な新商品開発

4、ラーメン店との共同開発を行った経験は私自身の宝物となりました。

以上、様々な経緯をもとに、意外にも最大のヒントになったのは、家業である「蒲鉾」。広く親しまれている蒲鉾のウリは、「こだわった原料、製造方法やストーリー。すぐに食べられる手軽さにある。」と思いました。

「もちろん、お店で食べるラーメンは美味しい。その味を再現した即席麺も世の中には存在している。しかしながら、それらの多くは小分けの具やスープを別々に調理し、一手間かかる。それがいいという人もいるだろうが、より多くの人に食べてもらうには、美味しさや原料のこだわり、ストーリーだけではなく、カップラーメン級の"超"手軽さが必要。その両立に取り組むのが使命だ。

そう思い、手軽さと美味しさが両立したラーメン開発のため、今までの経験や技術を余すことなく注ぎ込みました。

1年半以上の時間を費やし、ついに納得のいく美味しいスープを完成させ、その美味しさを損なうことなく簡単調理できるよう開発・研究しました。

私もそうですが、忙しい現代ではより時間をかけず、かつビックリするほど美味しいものを食べたいという願望は誰しもが持っていると思います。特にコロナ禍になり、満足にお店に行けない中でも食事の時間を楽しみたい。そんな方にぜひ一度は食べてもらいたいです。

ゆくゆくは、このラーメンや水産加工品が長崎県を代表する、ちゃんぽんやカステラ、角煮まんじゅうと肩を並べて語られるような名品になることを祈ります。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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